子どもが安心して笑顔で過ごせる地域を目指し、
こども食堂やこどもの居場所を運営する団体の支援活動、
団体と地域や企業等をつなぐサポートに取り組んでいます。
こども⾷堂やこどもの居場所が、多くの⼈に親しまれる花のような存在として、
県内にたくさん育ち、咲いていくような活動を展開していきます。
にこねっとは、新潟県内にある「こどもの居場所」が、こどもと共に生きる地域づくりの担い手のひとつとなることへの支援を目的とした団体です。
「こどもの居場所」というキーワードは、学校に登校することができない、いわゆる不登校の子どもたちに、学校以外で安心して過ごすことのできる場所の確保から始まっています。「こどもの居場所」を地域に整えることで、すべての子どもに必要とされる、学校以外の「安心して過ごすことのできる場所」の確保を目的としてきました。
「不登校」への対応としての「こどもの居場所」は、こどもが学校が定めた基準どおりに登校ができているか否かに基づいて、その子に「こどもの居場所」が必要かどうかが判断されていました。しかし、登校ができているこどものなかにも、家庭や地域が安心できる場となっていないこどもがいることも明らかになってきました。保護者をはじめとする子育て家庭の大人たち(子育て当事者)も、地域住民も、家庭や地域がこどもにとって安心できる場として整えることに日々尽力していますが、そもそも、子育ては保護者等の子育て当事者で完結するものではありません。こども(大人と違う存在としてのこども、人としてのこども期)の育ちには、多様な人とのつながりが必要です。こども数の減少、家族成員の減少、人口減少のなかで、地域にこどもが安全で安心して過ごせる場が減ってしまいました。
にこねっとが立ち上がるきっかけとなったのは、「こども食堂」の存在です。地域のなかに、こどもが安全で安心して、低価格で食事ができる場を提供する。この「低価格で」という点は、社会におけるこどもの立ち位置(自ら所得を得ることができない/社会的な支援を申請し手続きすることができない)を考えると当然の配慮なのですが、私たち大人の側で、子育て当事者の経済的困窮とつなげてしまった側面も否めません。その結果、経済的な配慮を必要とする家庭のこどもを対象、というイメージが先行してしまいました。
「こども食堂」の運営を始められた多くの方々が気づかれたこと。それは、こどもはこども同士で過ごすことを楽しむ存在であること、誰かと一緒に食することがもたらす効果、接点がなかった大人同士のつながりが生まれることだったのではないかと思います(他にもたくさんあると思いますが)。こどもがこどもらしく過ごせる場、何より、おいしそうに食べる姿を見せてくれるこどもたちの存在をとおして、こどもにも子育て当事者にも地域住民にもこういう機会や場が必要なことに気づくことができました。「こども食堂」の運営を通じて明らかになったのは、「こどもをまんなかにすると、人はつながれる」ことでした。
「こどもの居場所」というワードは、不登校のこどもの学校以外での居場所づくりをきっかけに使われるようになりました。そこに、こども食堂が誕生し、「こどもの居場所」として認識されたことによって、他の地域のこども支援を含めて、再整理することにつながりました。こども家庭庁が令和5年12月に公表した「こどもの居場所づくり指針」には、こども食堂だけでなく、児童館・児童センター、フリースクール、プレーパーク、中高生カフェなど多様な場が「こどもの居場所」として整理されています。既存の「こどもの居場所」が果たしてきた役割と、こども食堂が必要とされた背景を踏まえながら、こども食堂が「こどもの居場所」のひとつとして地域に馴染んでいくことがこれからの課題となるでしょう。
にこねっとの役割も、こども食堂を含めて、こどもの居場所がこどもと共に生きる地域づくりの担い手のひとつとなることへの支援に取り組んでいく所存です。そのためには、新潟県をはじめ、県内の自治体、社会福祉協議会、社会福祉法人等非営利法人、NPOやボランティア団体、企業等のみなさまとのつながりを大切にしていきます。
不登校等学校教育の研究者の対談で「自分は子どもが好きかどうかはわかりませんが、子どもがいる世界は好きなのだと思います」という言葉がありました(矢野,2024)。こどもが好きかどうかという枠組みではなく、こどもがいる世界が好きであること。「こどもの居場所」が地域になじむことで、そんな人たちがひとりでも増えていくことを願っています。
出典:貴戸理恵・矢野利裕「こどもがいる世界を豊かに 学校内外に広がる共同性から」『現代思想』2024年4月号,22,青土社,2024
新潟こども⾷堂・居場所ネットワーク
にこねっと 代表
新潟県立大学人間生活学部 教授
小池 由佳
ネットワーク設立に伴い、2022年に下記8機関と連携して準備会を立ち上げました。
名称 | 新潟こども食堂・居場所ネットワーク にこねっと |
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設立 | 2019年 |
代表 | 小池由佳(新潟県立大学人間生活学部 教授) |
事務局住所 | 〒943-0834 新潟県上越市高土町1丁目8番7号2F くびき野NPOサポートセンター内 |
電話番号 | 025-522-6639 |
FAX | 025-522-6669 |
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